梅田夏樹's Bookshelf 梅田夏樹さんの本棚

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普段は大学の教壇に立つ哲学が専門の学者さんが、東日本大震災を受けて、ボランティア・プロジェクトを実践し、日本最大級の規模まで発展させていく姿がとても痛快。構造構成主義という小難しい理論を駆使し、新しい方法論のボランティアを成功させていく一連の経緯は、哲学がこんなに実践に通用するものなのかと感心させられた。
特に感心するのが、将来的にはその仕組みは被災地へ渡し、地元の人達の仕事にして、自らは身を引こうと考えている所。どこまで行っても、学者さんなんだなと思った。方法を提示し、他の人達にマネてもらうことを目的としていると西條さんは語っている。
本書も、マネてもらうことを目的しているためか、構造構成主義というものがちっとも難しくなく理解できる。ただ体現することはなかなか出来ないのだろうけど、これから役に立ちそうな気がした。

2012-04-10 07:23:18

この本が哲学書としては異例のヒットを飛ばしていることをラジオで聞き、読んでみた。結果、こうやって文章を書かずにはいられないほどおもしろい。
 この本は、人が退屈する謎を解き明かし、退屈するという問題に対して、明確な結論を提示している。話は「定住革命」に至る人類史や、退屈という問題に取り組んだ歴代の哲学者たちなどを例に挙げ、順序良く結論に到達する。内容は非常にわかりやすく、爽快なほど明確な結論に至るまでの考察は、説得力があり、納得したという気持ち良さがあった。

 400万年の人類史の中で定住生活が始まったのが1万年前から。そこで暇と退屈の問題が初めて明確に登場し、縄文土器などの芸術が現れてきたと、本書は指摘している。
 この指摘は、僕にとって衝撃的だった。
 つまり「芸術」はわりと暇だったから社会に登場したということになる。そしてそれは、縄文人にとっては退屈とたたかう術で、必要不可欠だった。
 これを現代のあらゆる芸術に照らしてみると、とてもおもしろい。
 芸術が日用品に至るすべてのものに浸透した社会は、とても暇があり、それは退屈とたたかっている証拠といえる。金持ちの過剰な芸術好きは、退屈とたたかっている証拠。オシャレな人も、絵が好きな人も、映画が好きな人も、退屈とたたかっている。なぜなら、人は退屈を無視することは出来ず、退屈に耐えられないから。
 本書は、他にもいろいろなインスピレーションを与える。いちいち羅列してられないので、興味を持ったかたは読んでみてほしい。

※カバーに付いている、何をしていいのに~の下りは本書の意図とは違う気がする。読んだ方がいれば意見を聞きたい。

2012-03-16 06:44:23

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