1942年ナチス占領下のパリで、13000人ものユダヤ人(女性・子供も多数)が(ゲシュタポではなく)フランス警察!によって一斉検挙された。その後アウシュビッツに送られて、生還者はほとんどいない。フランス人にも知られていないこの事実をモチーフにした小説。(フランスの学校で教えられていないのは、国の恥だからでしょう。)12月に読んだ、同じくナチスをテーマとする『郎読者』より1000倍心を揺さぶられた。『サラの鍵』の作者が女性だからかもしれない。45歳在パリ25年のアメリカ人女性ジャーナリスト(フランス人と既婚)が、この事件(ヴェルディブ一斉検挙)60周年追悼記事の取材を始め、この事件と夫の実家が深い関係にあることが分かり、事実を解き明かしていく。この事実が多くの人を再び結びつけたり、ある人の人生を変えたりする。
『アンネの日記』も、『サラの鍵』もそうなのですが、ホロコーストの話を読むと、胸が締め付けられ、嗚咽が漏れる。2週間前に読んだ『写真の裏の真実』という太平洋戦争末期の硫黄島の真実を追った作品でも思ったが、戦争を実際に知る人は次々と鬼籍に入っている。私は書物を読み、子供達に伝え、いつか一緒に同じ本を読んで話し合うことしか出来ない。
『サラの鍵』は映画化されていますが、私は本だけにしていたい気持ち。
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Michiyo Iino