国民の教養
初めて三橋貴明の本を読む。いくつも秀逸な点があったが、特に以下の2点。
1.グローバル経済のくだり。
-賃金低下
-税収減
で国が貧しくなる、という説明。今のTPPなどに直感的に反対したい気持ちの裏が取れた様でうれしかった。
2. お金についての考え方。
お金はそれ自体に価値のある物ではなく、交換が簡単だからみんなほしがる。
もし交換できなかったり、交換しにくかったりすれば価値は一気に下がる
また、国富は外国から金や資源(土地とか)を獲得しないと増えていかないから、
単なる日銀の借用証書である紙幣の量(マネタリーベース)が増えても何も変わらない、というあたり。
最終的な結論が、内需を拡大していく事(日本産の物を購入すること)というのが、あまりに単純で少し驚いてしまった。効果の検証を期待したい。
正しい情報に基づいて正しく判断することが重要だと,著者は繰り返し主張する。マスコミやそれに群がる評論家は歪んだ情報をセンセーショナルかつネガティブに報道することしかせず,正しい情報はほとんど提供していないと指摘。その上で,国とは何か,国民とは何か,政府の役割や財政のこと,通貨,グローバリゼーション,貿易(TPP含む),民主主義,医療・年金制度,選挙のことなど,具体的に分かりやすく解説している。
日本のことはもちろん,アメリカやヨーロッパ諸国などについても多々記述されているが,なかでも中国に関する部分は面白い。この本を読むと,かの国は早晩,維持できなくなる(財政破綻ではない)のではないかと思えてくる。その中国の市場を目当てに群がる先進各国はいったい....。
この本もまた多くの人に読まれるべき一冊だと思う。日本や日本の文化,国民性を今以上に大切に感じられる。
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