羆嵐 (新潮文庫)

以前、TV番組で特集をしていて興味を持って購入。最後の銀四郎の村人への言葉がとても印象深い。仕留めた羆へのしきたり、仕留めた者へのしきたり、それを知らずお礼だけにとどまる村人。銀四郎は羆を仕留める時冷静に3発の銃弾を打った。が、今までに見た事のないほどの巨漢の羆。その恐怖を見せず、仕留めた後の敵対した相手を見た時の恐怖。それが、喜び、お礼だけ言う村人への怒りに変わる。でも、それはプロだと思った。プロは困難な状況でも、その場では表情に出さない。そして、しかるべき報酬をもらう。ただのかっこいいマタギのおじさんの話ではない。

これは、伝説のマタギがでてくるヒグマの殺傷事件の本ですね。テレビでそういう事件が昔あったということを、はじめてしりました。