「故郷」は現在、現実の場所を離れ、各人の記憶のなかに漂っている。「帰郷」とは、生まれ育った土地に帰ることではなく、記憶のもとになるモラトリアム期の「基調的な個人」に還ることである。
2013-07-18 06:39:09 8p東浩紀+北田暁大『東京から考える__格差・郊外・ナショナリズム』
2013-07-18 06:22:20 25p言語や行動様式、生活慣習などに表われる地域文化は基底文化といわれるように、長い時間をかけて堆積されたもので、社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)にも通じた、地域の資質とでもいうべきものである。
2013-07-18 06:06:39 22p地域間格差が、大都市と地方といった大きな圏域の間にではなく、圏域内部の、それもごく小さなエリアに表われている。
2013-07-18 05:56:02 21pまた、場所には、異なる時期、異なる時代を生きた人々の時間差を埋める働きもある(同位)。この「同位」の働きが、分断されて脈絡のない数多くの記憶を地域の下に結合し、「地域の歴史(記憶)」を作り上げていく、同期や同位の働きが、地域に一体性をもたらすとともに、空間的な一体性や、時間的な一貫性を担保して地域アイデンティティを作るのである。
2013-07-18 05:47:13 14pなかでも重要なのは、人々やモノ同士を並置し、統合する働きである。場所は、空間的に距たって生活し活動する人々の距離を埋める「同期(synchronism)」の働きを持っている。この働きのおかげで、地域の下に広く人々を結びつけることが可能になり、地域には間主体的な「地域の意志」も生まれてくる。
2013-07-18 05:41:16 14p中央は社会制度上の中心地であり、また、近代的価値の発信地でもあり、中央に従属する地方というはっきりした上下関係が生まれた。さらに高度経済成長期を経ると、人・モノ・カネ・知識が集中・集積する中央に対して、地方は取り残された田舎というコントラストが広く一般に定着し、現在に至っている。
2013-07-18 05:34:06 12pWow! ノートはまだありません
Satoshi Shiozawa