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恩田陸を好きなのだ。とはいえ、文庫化されたことを知ったのは親切な同僚に教えられたからなのだが。単行本未収録短編と対談が含まれていると聞き、速効で買ってきた。Y氏よありがとう。
さて、自伝的と言うところのこの小説は、実に好みなのであった。これ、映画になったらおもしろんじゃないか。てか、どんな映画になるかな、なんて映像的に読んだのだ。その絵は箱崎監督が撮るんだろうな。あ、箱崎は作中人物か。でもきっとそうだ。今私の頭に浮かぶ映像は箱崎の映画に違いない。
ベースをかついでいる戸崎も、一人称でこの小説を書いたのであろう楡崎も、どの人物の台詞にも、私自身の学生時代を想起する台詞がある。どこかで聞かれたのか、と思う。風景にも覚えがある。同じ道を、同じ部屋を見たことがあるような気がする。
本当ではないのに、そんな気がしてくる。
生年が近いこと、育ったところが近いこと、いくつかのベースが文字の中でシンクロしているのでは、と推察するも即座に否定の言葉が浮き上がってくる。
それが恩田陸の小説なのだ、と。
ザキザキトリオの過去を振りかえりながら、私も自分の学生時代を振りかえる。
ワンシーン、ワンシーン、8ミリで撮ったような短い映像が浮かび、シーンがかわる。
なんとも記憶とは曖昧なものだ。
曖昧だけれど、それが私の過去なのだ。
過去は今作られている。
頭の中で、記憶という形で。
記憶は弱まり、薄まり、補強され、補足され、つぎはぎとなり本来の姿を変えながら、それでもそのときあったこと、として残される。そのあいまいさが私を形作る。
ブラザー・サン シスター・ムーンを読みながら、私の記憶をなぞりながら、去来する思いと活字が交差する。
誰かがつくったこの映像を、見てみたい気がする。
違う、こんなはずじゃなかった、と言うかもしれないけれど、この作品が映像化されたら、見てみたい気がする。
読み終えてむふふ♪な一冊です。なんだか懐かしい文章なの。30年前に読みふけった海外SF(もちろん翻訳)を想起させる、でも古いんでなくて、あ、今SF読んでる♪って感じの。表題のシュレディンガーのチョコパフェのSFっぷりも好きだけど、二番目の「奥歯のスイッチを入れろ」がよかった。なんだか懐メロでなくて、懐SF? バイオシップハンターもそのぬめった船体は、草上仁にもあったなーとか、とにかく久しぶりにSF読んでよかった^^と思ったのだ。
あー、新刊でないところは図書館で借りたからなんだけど、山本弘の文章てかSF好きだなー。長く離れてたけど、また読もう!
同人誌ばり(!?)のご本人の解説もといあとがきも好きだ。なんだか照れてるような文章が本文と違って初々しい(違っ)。ご本人でない方の(ここでは名前を出さないが)解説というかあとがきというか、はなくてもよかった。個人的には。(書いた方のためにいうけど、「なかったほうがよかった」ではなく「なくて**も**よかった」だ。山本氏の方が年齢が近いからね、なんというか、言わずもがなだよ!って思っちゃったんだ)
もちろん、上に出さなかった短編それぞれもむふふだったのだ。闇からの衝動も、あー、こう来たかー!!なんてへらへらしながら読んだわけです。これ、もう電車で読んだらだめだね。にへっとしたり顔をしかめたりで、誰かが見てたらかーなーりアヤシイ人になってた(はず)。最近ライトノベルを多く読んでいたけれど、やっぱりちゃんとしたSF読もう。(いやライトノベルも好きなんだよ?)・・・宣言するのもヘンだけど、久々に楽しく読んだのでテンションあがってメモしてます。
平たく言うとおすすめってことで。^^
一気読みですよ。一気読み。まんがだしねー。お気楽に手に取りました。もともと伝記は苦手だし(偉い人の偉くなった話ってこそばゆいし、まねできそうにないし、共感しづらいのでつい敬遠)、空想的な物語は好きだけど(←根っからの子ども)随筆は退屈~とあまり興味を持たなかったから、実は徒然草も枕草子も方丈記もざっとしか読んでない。家にはその類いの本があったにも関わらず、だ。なんかねぇ、人のぐだぐだ話はどーでもいいし、恋愛話は小っ恥ずかしいし、説教なんて聴きたくないし、とか、あれこれ言い訳だらけなんですが、要は小難しい心のひだまで分け入った話を読めないんですよ。お子様だから(偉そうにいうところじゃないんですが)。で、この本だ。しまった。枕草子、読み直してみたらいいんじゃない?え、方丈記ってもしかして書いてる人がヘンかも。更級日記ってそんな話だったのー!?今まで教養ちっくに読んでおくか、と思ってた本が、実はすごく面白い本だったのに気がつかなかった!そんな衝撃ですわ。むぅ。今更だけど、日本の古典を読み直そうかな、と思えるほどに、この本はよかったです。古典ね。見直しちゃったわ。
2012-02-12 13:15:47読んでしまった。3ヶ月我慢して、平台から外されるのを待って、そろそろ流行がよそに移ったかな・・・と書棚に1冊になった本を取り出しレジに向かう。ここまで立ち読みもしなかった。オンライン書店で予約もしなかったし、新古書店でも手に取らなかった。なんの我慢だ?とにかく平積みを買ったら負けと、謎の勝負に挑んで何を得るのか。読み始めたら改札も本を片手に通り過ぎ、階段も読み読み歩き、アブナイったらありゃしない。我慢して我慢して、最後は息もしない勢いで読み通すのだ。てか、読み続けてしまった。ヒア・カムズ・ザ・サンも2編目のパラレルも、楽しかった。同じお題で二つの話を書ける作者に感心するし、読む方は二度おいしい。(たぶん芝居を観たら3度おいしいのだろう) つまり読者=私は、作者に二度感謝するのだ。我慢大会に負けてよかった。で、1編目と2編目とどっちが好きかっていうと・・・まだ決められない。もう少ししてから、それかあと2,3回読んでから決めようかな。1編目のHALもいい。2編目の輝子もいい。2編目のカオルの住まいが昔住んでた辺りなのもいい。あー、悩ましいな。とりあえず読み直そうか。
2012-02-07 12:38:49
どうしてだろ。最後の数ページにどきどきするのは。どうしてだろ。夕食の準備をしなくてはいけないのに、読み終えるまで席を立てないのは。どうしてだろ。子どもの頃からの刷り込みで、たぶん相容れないと思えちゃう職業人にをカッコイーと思うのは。
2012-08-11 11:28:54初期作品から好きな作家で(むしろ初期作品が好きだから追いかけているとも)、出る本を手に取り、買うか買わないか逡巡しながら、でもやっぱり購入してしまう。中毒・・・かもしれない。それにしてもそれにしても!カバーの架空記事まで読んじゃうじゃないさ。その定価が書いてあるとこ邪魔っ。タイトルが記事隠してるっ。なんて、カバーも楽しんでおくれ、という作品の提示に釣り込まれているわけだ。
ついでに、勝手に布教活動!?と心中称して同僚に貸す約束までした。押しかけ貸しなのだ。
早く貸したい、でもあたしが読んでからでなかったら貸せないし、ほかの本読んでるからなかなか読めないし・・・と順送りになっていたけど、関係なかった。読み出したら没頭した。幸いなことに今日は土曜日だ。
貸すとしたら月曜日。まだあと一日ある。もう一回読める。
涙もろい?主人公を見て、勝手にもらい泣きしそうだ。
青臭い読後感を笑われそうだ。
笑いたいのは自分か。そりゃそうだ。こんな小っ恥ずかしいこと書いてたら、笑うしかない。
というわけで
空自の「広報室」が舞台です。直接基地が出てこないけど、ヒコーキ好きなあなたに。ぜひ。