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山小屋の主人10人から聞き取った山のノウハウを著者がまとめ,項目ごとに章立てで解説した一冊。その山のことを知り尽くした小屋番たちの言葉だけに重みがある。
2011-12-30 20:19:31辛口レクチャーとのサブタイトルのとおりだが,その背景には「人の忠告を聞き入れ,安全に登山を楽しんで欲しい」という著者の想いが溢れている。つまり裏を返せば,事前調査や心構え,携行品など準備万端にできないならば山には来るな,ということ。それができていないにもかかわらず,人の制止も振り切って山に入り,遭難・命を落とす人が多すぎることに警鐘を鳴らしている。
2011-12-27 14:27:00正しい情報に基づいて正しく判断することが重要だと,著者は繰り返し主張する。マスコミやそれに群がる評論家は歪んだ情報をセンセーショナルかつネガティブに報道することしかせず,正しい情報はほとんど提供していないと指摘。その上で,国とは何か,国民とは何か,政府の役割や財政のこと,通貨,グローバリゼーション,貿易(TPP含む),民主主義,医療・年金制度,選挙のことなど,具体的に分かりやすく解説している。
日本のことはもちろん,アメリカやヨーロッパ諸国などについても多々記述されているが,なかでも中国に関する部分は面白い。この本を読むと,かの国は早晩,維持できなくなる(財政破綻ではない)のではないかと思えてくる。その中国の市場を目当てに群がる先進各国はいったい....。
この本もまた多くの人に読まれるべき一冊だと思う。日本や日本の文化,国民性を今以上に大切に感じられる。
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7例の道迷い遭難事故について,遭難者本人へのインタビューや事後検証を踏まえ解説・分析している。記述されているいずれの道迷い遭難についても,(1)道に迷ったと感じたときに引き返すチャンスはあったのに引き返さなかった,(2)この道はきっとあの場所につながっているだろうという本人の思い込み,(3)とにかく下れば良いという気持ちで沢筋・谷筋を下ってしまう,(4)予想しなかったアクシデント(滑落,骨折,凍傷,コンタクトレンズの紛失など)が発生し正しい判断ができなくなる,(5)人の忠告を聞き流す,(6)救助されたのはたまたま運が良かっただけである(セオリーどおり尾根筋に登り返し自力下山できた1例を除く)などの共通性がある。そして6例は単独行である。
2012-01-02 06:13:14山で道に迷ったときには決して谷筋・沢筋を下ってはいけない,との掟を誰もが知っているにもかかわらず,遭難の現場では正しい判断ができなくなる事例が詳細に記述されており,登山者は誰でもこのような負のスパイラルに陥ってしまう危険性があると警告している。