Hidetoshi Takenaka's Bookshelf Hidetoshi Takenakaさんの本棚

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丸山真男が亡くなってのちの刊行。本来が公刊を意図しての問答ではないので、高望みをすべきではない。荻生徂徠の翻訳論(われわれは論語孟子は翻訳で読んでいるだけだ)、新井白石、本居宣長などについては興味深い。また、馬場辰猪が明治6年に、日本が英語を採用すると、階級差が生じ、一つの国をなさなくなる、と主張していることを、丸山が紹介している。これは極めて重要な論点だ。

2012-10-05 07:56:22

タイトルの通り、東アジアの民族興亡史を踏まえて、満洲帝国を時間的空間的に位置付けようとする野心作である。「中国」ということ自体を相対化し、中国という視点から歴史を捉えようとする視野狭窄を克服しようとする著者の世界史の構図は評価されてしかるべきである。ただ、本書によっても、満洲帝国の姿が見えて来ないように思うのは、著者のせいではなく、満洲帝国という「キメラ」なるがゆえであろう。

2012-09-07 08:08:26

20年間、積ん読であった本書を何気なく手に取り、一気に読んだ。購入動機は1992年に北京飯店で本場のマーボ豆腐を食べたこと。今回、本書を読んで不思議な感覚に捉えられた。1946年に北京から引き揚げた著者が1987年に北京を再訪して、懐旧の情を抱いて北京を歩いて成ったのが本書であるが、この1990年に北京を初めて訪れた私には、著者が描く1987年の北京に対して懐旧の情を抱かざるを得なかった。
北京の日本人墓地について触れたところで、ちらと中江丑吉と鈴木言一が出てきたりする。また今年の3月に訪れた魯迅旧居も描かれたりしていて、私はもう一度北京に行きたくなった。

2012-08-19 02:50:42

1989年の刊行。鈴木東民の反骨の生涯と、田村義也の上製カバーの装幀とが釣り合って、秀逸。読売争議の闘士としての東民は知っていたが、釜石市長となって革新市長の先駆を担い、吉野作造の直弟子として戦闘的デモクラットの一生を貫いたことを本書で知った。鎌田慧の反骨の精神が鈴木東民の反骨の精神と重合して、とてもいい作品に仕上がっている。

2012-03-23 22:59:18 (1 Page)

1971年の刊行です。基本的には政治の季節は終わっていました。その象徴が陽水の「傘がない」であり、そして谷川俊太郎の「うつむく青年」であったでしょう。正方形の本なんですよ。

2012-02-17 17:24:59

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