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「難」こそ人間の動力だ
これは、世に数多ある「お涙頂戴もの」の話ではない。
本当に「困っている」状態を、20代女子が自分の目で見たまま、体験したままを綴った自己ドキュメンタリーだ。
ご本人が明るく語ろうとしている文体なので、サラリと撫でるように読むことができるが、これが昼ドラや韓流演出になると、もーっとドロドロと脂ぎったものになるし、花とゆめやマーガレットのような少女漫画を地にすると、「花より男子」のように主人公苦労話になるだろう。
この本では4つのことを考えさせられる。
1つめは、自分の身体はたった1つしかないから、無理をしないできちんとケアしていかないとなぁ。ということ。
筆者は大学院生として研究に励みつつ、東南アジア地域の難民問題に体当たりで取り組んでいた活動家。「難民のために」と自分の身体や生活を省みず、活動に身も心も没頭していた。そのために、身体が悲鳴をあげて、自己免疫系が原因の難病を発症してしまった。まさに自分自身が難民化してしまったのだ。
2つめは、難民も病人も、「誰かに支えてもらうこと」と「自分でやること」とのバランスが難しいこと。3月に起きた震災でも、避
物語のワールドモデルは幕末の江戸。
武士たちの不穏な動きが町のアチコチに見られるものの、町に暮らす人々は
まだなんとか“平穏に”暮らしていた。
主人公は小さな神社の禰宜の2人の兄弟。
兄はのほほんのんびり屋さんで、家に代々継がれる「ゆめつげ」という夢占いを能力として受け継いでいる。
物語は、彼がある商家から依頼された事件に巻き込まれていく形で進んでいくのだが、この中には親子、夫婦、神社、武士、家、過去、未来、世事、など、多くの切り口から漏れてくる「思惑」が、多層にレイヤーとなって、それが兄の「ゆめつげ」と彼の読み解きの蛇行運転によって閉じられていたものが徐々に開けられていく。
作者の畠中恵さんは、代表作「しゃばけ」シリーズに見るように、ひょこっと起こった小さな事件の謎解きを、ほっこりとした登場人物たちの協力によって解決していく手法が癒し系で人気のようだ。私もこのシリーズに癒される疲れた都会人の一人。
彼女は高知県で生まれたが、人生のほとんどを名古屋で過ごしている。元々は漫画家になることを志して学校も短大のイラスト科を卒業し、漫画家アシスタント、書店員をしながら、ついに88年小学
ボーダーラインをまたぐ草枕
タイトル「野宿入門」には、こんな吹き出しがくっついています。
「ざっくりと……」
そう、これは野宿のハウツー本ではなく、野宿が楽しくて楽しくてしょーがないたくましい「森系」女子がつづる野宿お誘い本。
野宿とは、帰りたくても変えれない。しょーがなくする非常手段と消極的に思われがちですが、彼女は「朝まで休憩しています」と積極的に外に出る。「野宿」を日常の縛りから解き放つ心身開放ツールとして使っているのは目からウロコな視点です。
癒しの旅行もいいけれど、巣篭もりから抜け出して、外に身を置いてみると、ジョーシキって何だったんだろう? というギモンや、屋根と布団のありがたみ。そして原始、洞窟や木の根元で寝ていた昔をしのびつつ、自分の位置づけや見方づけが変えて見えることができるかも知れませんね。
カタチか、お尻か、
見て見て! 表紙のイモムシたちの表情といい、しぐさといい、みんなプリティでしょ~☆
上段右端の紫色のコなんて、お尻がキュート!
そしてそして、2ページ目から始まるイモムシ一覧の圧巻なこと、壮観なこと。
こうして並べてみると、いろんなカタチや大きさがわかるだけでなく、愛らしさもふわっと匂いたってきます。
この本はワタシのようなへんてこ好きな人向けではなく、一般にはあまり好かれないイモムシたちを生態から研究対象として見た入門書です。日本にはチョウ類が約300種、ガ類は約500種生息しているそうですが、この本にはよく見かけるタイプ、生態やカタチに特徴があるタイプなどを厳選して計226種(チョウ91、ガ135)掲載しています。
フィールドワーク用にもなるように、ポケットタイプで写真の一覧も原寸大とのこと。模様やカタチなどが似ていたり、変わっていたりするイモムシたちを眺めていると「生きる」→「生き残る」ための知恵を連綿とつなげている種の継続の貪欲さ過酷さを感じたりします。
よーく見てみると、イモムシとナマコって、カタチが似てる。あら~、ワタシってずんぐりむっくりのカ
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仕事への意欲や、人間関係で暗く悩んでいる私。
2011-09-20 15:26:48それを打ち明けたら、この本を貸してくれた。
今をときめくディレクター・佐藤可士和さんの「整理」術。「超」までつけて強調するからには、何かあるんだろうなーと、ページをめくっていくと、あれあれ? これって「プランニング編集術」じゃん、と思い当たる。
破も、佐藤さんも共に強く言っていたのは
「情報や思考など、見えにくくなっているものを言葉にして見える化すること」
そして
「整理すること」
「相手から引き出すこと」
この3つ。
とかく「自分が」と我を通しすぎてしまっていたことに気づく。
世は自分だけでなく、周囲もひっくるめて関係から起こる成り行きで決まる。
もっと引いた望見の目で見渡すようにしなくては、結局何も見えない。
最近、とみに本に助けられることが多いことに気づく。
そして、本というきっかけを与えてくれる友人との縁にも感謝。