Fukumoto Aeka's Bookshelf Fukumoto Aekaさんの本棚

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夫の本棚から拝借。この生き生きとしたサロメには、従来のイメージを拭うというより、”戻ってきた”ような身近な感覚がありました。
翻訳者の平野啓一郎さんとは同年代に京都の大学生だったせいか("京都大学"生ではない。笑)あとがきで書かれた世紀末的なものに対する当時の空気や、旧訳に対する愛着など感覚的に共有できる部分も大きかった。
ただ自分としては大学時代よりも高校時代、まさに世紀末を過ごした少女時代の空気感が蘇るような感覚なんだろうと思います。ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』やフランソワーズ・サガンの『悲しみよこんにちは』や山田詠美の『蝶々の纏足』をとても身近な、当たり前のような感覚で読んでいた。純粋さも残酷さもロマンチシズムも、未発達で本能的なエロチシズムさえ特別なものと思わず、私たちはごくごく普通にその世界観を共有していたのである。その少女達の内的世界の混沌は、大人にならないと分からないものなのですね。(そう考えるとやっぱ女って怖い生き物なのかも……)

2012-05-05 08:56:33

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