表示順
平蔵といえば、ご存知、池波正太郎の『』鬼平犯科帳の長谷川平蔵のことである。
この本は、その長谷川平蔵に新しい光を当てている。
「池波さんの言うところの、人物が勝手に動き出すという境地をようやく知ることができた」と筆者の逢坂剛は意欲的な取り組みを見せて物語を展開して行く。
表題作の他に五篇の短編集である。
池波正太郎の鬼平のファンも満足出来る内容になっていると考えます。
江戸古地図と現代東京の地図が対比されているので、散策にはもってこいである。
又、多くの時代小説で描写された場所などが作品と共に紹介されているのも時代小説好きには堪らない。
狛犬文化を理解する上での一つの説が述べられている。
頭に窪みのある狛犬を時々見かけるが、これは隠れキリシタンの洗礼盤として使われていたのではないか、という説は目からウロコの思いがした。
老いについて筆者は「有用性ではなく、存在の仕方そのものによって周りの人々を喜ばせるという点において子どもと同じである」と述べている、と言う。この一点だけでも読んでみたい本ではある。
2012-04-24 02:10:36
第236段に狛犬が後ろ向きに立っている描写があり、その場面の絵がちょっと面白いので購入した。結果的に赤塚不二夫は昔の狛犬の姿を知らなかった、と思われる。
2012-05-21 07:39:09