「『もの』の世界をおろそかにして、『つくり』の世界だけで考えた場合、いかに人件費を抑えるか、いかに生産リードタイムを短縮するか、といったコストダウン競争に終始してしまいます。そうなった場合、日本の企業はどの分野からも撤退していくしかなくなります。
『つくり』の部分でいえば、韓国もこれから中国に押されていき、その後には中国からインド、インドから中近東、中近東からアフリカへと移っていくことになるでしょう。『もの』で勝負ができなければ、今後の展望は拓けません。
そういう話をルイ・ヴィトンの役員にしてみたことがありますが、彼らは『材料が二千円の商品であっても、もの(設計思想)によって二十万円で売れるようにするのがビジネスだ』『コストダウンなんて考えたことがない』というふうに話していました。
また、つくりの部分をどこに委託しているのかを聞いてみると、『賃金の高い韓国に出している』とのことでした。韓国の人件費は中国の三倍くらいになりますが、その分、つくってくれる製品は信頼できます。賃金が安いからといって手を抜かれてしまうと、ブランドイメージに傷がつくので、中国などへの生産委託はできないと考えているのです。
こうした考え方ができることにしても、『もの』の部分で勝負ができているため、材料が二千円の部分でも二十万円で売れるということが前提になっています。だとすれば、三千円で済ませられる加工費が一万円になっても大きな問題にはならないので、こうしたやり方ができているわけです。
このように『もの』の世界の部分こそが、これからのビジネスの鍵を握ります。それがルイ・ヴィトンのようなファッション業界の話だけではないのはもちろんです。」
●ルイ・ヴィトンのビジネス
第四章 グローバル時代の「ものづくり」
2012.08.24 購入
著者は、日立製作所・JFEホールディングスを経て、サムスン電子の常務として活躍した技術者。
「妻と子供以外はすべて取り替える」
すごい勇気。
未来を見通す力が必要、そのために情報収集が必要
未来を見通してすばやい一歩を踏み出す
合議して責任を分散するのではなく、先に一歩を踏み出す
なかなか日本の会社には出来てないことが書かれていた
Wow! ノートはまだありません
Gen Sakata