作家でありクリスチャンである著者が,思いがけなく日本財団で働くことになり,その査察のため私費で訪れた世界の隅々について書いたエッセイを中心とする抜粋集。
「日本は実に『苦労知らず』の人たちが多い国であった。いい年をした大人が新聞に『皆が平和を望めば,世界平和は達成できるのに』などという投書をすると,それは心根のいい人の書いたものだとして,採用され掲載される国なのである。平和はいいものだが『永遠に現生では達成できない悲願』だという認識を持つアラブの方が,ずっと人間として成熟している」。
プロローグに書いてあるこの言葉が,本書の内容を端的に言い表しているような気がする。
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Takayuki Kashima