NHKの大ヒットドラマ「ハゲタカ」の作者真山仁の最新作。3.11前に発表していただが3.11後に大幅に加筆してより真実味のある政権ドラマに仕立て上げられている。タイトル「コラプティオ」は腐敗、汚職をさすラテン語で、国民に支持され有限実行で実績を積み上げていく首相が、ある時野望に踊らされ本来の政治家の分を忘れ、危険な道を歩き始める。魑魅魍魎が闊歩する政界を見事に描きあげ、かつそこに潜む、正義をもっととする人間までもが陥る罠を見事に描きだしている。フィクションだがまさにこのようなことがいつぞやは実際に起こっていただろうし、力のある首相はいたはずであると創造させてくれる。いま清らかな政治家が少しは増えたのかも知れぬが、大儀を語りかつ危険な罠をうまくかいくぐりながら活躍する政治家を見る日は来るんだろうか?来ないんだろうなと絶望さえ抱かされる鋭い政治小説です。ことしのお勧めの一冊になるかも。
2012-04-16 13:13:02Wow! ノートはまだありません
Hikaru Sato