and more.
NHKでの放送などがきっかけで大ヒットした書籍の文庫版。付録として2012年春頃出版予定のサンデル教授の最新作の一部が収録されている。
内容は「正義」というものの考え方の変遷が、時系列ではないにしろ大まかな考え方の流れに沿って論じられ、最終的にサンデル教授が考えるコミュニタリアニズムに基づく正義論へと収斂する。その過程はわかりやすいようであり、しかし奥深く、ときに難しい用語が混じったりしながらも何とかついて行くことが出来るように配慮されている。
とはいいつつも、そこは哲学書である。一度読んでわかったようなフリは出来ても、実際にはちんぷんかんぷんなところもないわけではなく、二度三度と読むうちにきっと腑に落ちるところや逆にサンデル教授の論理の穴が見えてくるなんて事もあるのかもしれない。まだ一度読破した程度の頭ではとても浅い理解しか出来ていないだろうけど。
なんにせよ、腰を落ち着けてじっくりと探求の旅に出たいときにふさわしい一冊であることは間違いない。
Wow! ノートはまだありません
Atsushi Egi