and more.
東野圭吾の作品には医学をテーマとするものがいくつかあるが、それぞれテーマが異なり、それぞれに深いメッセージ性を備えているのが特徴だ。本作は生物の起源に迫る問題をテーマとしている。
物語は鞠子と双葉の二人を軸に展開する。全く別々の人生を歩んでいた二人がふとしたきっかけによりお互いの人生に絡んでいくようになる。そこに秘められた物語は衝撃的であると同時にもの悲しさも漂わせる。
東野作品に共通するものとして、読後感に切なさが漂うというものがある。「秘密」などが好例だが、どうしようもない切なさが残るのだが、本作もそうだ。それぞれの登場人物はそれぞれに悩みを抱え、隠されていた謎が明らかになったとしてもどうしようもないやるせなさが残るのだ。二人の主人公がこの後どんな人生を歩んでいくのか、気になるところだが、一縷の希望が垣間見えるラストシーンとなっている。
やはり東野圭吾という作家はすごい。
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Atsushi Egi