チームとして箱根駅伝を逃した後、成績優秀者を寄せ集めた『学連選抜』がどのような過程を経て箱根に立ち向かうのか?という話。野球やサッカーでも、ナショナルチームは寄せ集めのチームだが、彼らは国旗を背負って戦っている。学連選抜は一見すると敗者の集団だ。モチベーションをどうやって保つのか?ということを、毎年箱根を見ながら私は考えていた。しかし、いったん走り出したら、そんなことはもうどうでもいいのかもしれない。人は、自分の為に頑張るのは限界があるが、誰かの為だと思えば限界を超える能力を持っている生き物なのだ。
余談だが、私にとっての箱根駅伝の面白さは、コースを人生の縮図のように感じることだ。みんなとだんごになっていたと思ったら、時には他人を追い抜いたり、その時の時流を読んだり、山あり谷あり…。だから、私は、自分に縁もゆかりもない箱根駅伝を見続けているのかもしれない。ちなみに、私は20年前から東洋大を応援している。理由は、高校の時に多大なる影響を受けた先生が東洋大出身者だったからだ。当時はシード権を手に入れることはなくても、しぶとく予選会から毎年勝ち上がってくるチームだった。この4年間についてはいわずもがなである。
箱根駅伝の学連選抜を題材にした小説。予選会で敗れた複数の大学から集められた選手たちが、様々な葛藤を経て一つの(そして一回限りの)チームになっていく過程を、リアリティ豊かに描く。東京マラソンで日本人トップになった川内選手も、学連選抜として箱根駅伝に出場したことがあるという。
2011-03-01 15:23:25Wow! ノートはまだありません
Hiroko Kashimoto