and more.
私は基本的に太宰作品との相性は悪い。『人間失格』から読もうと思ったのが間違いなのかもしれないが、3ページ読んだところで挫折した。この作品は、私にとっては19年ぶりに買う気になった太宰作品だ。『正義と微笑』は、若さゆえの悩みと言うか、考えすぎるのはどこの若者も同じと言うか、日記形式で日々経験することを書いている。『パンドラの匣』は、結核療養所に入っている若者が自分の友人に日々の生活を報告する手紙を書くという形式で話が進む。同室の仲間やお世話をしてくれる従業員のことまで、事細かに書かれていて、その情景が目に浮かぶようだ。中でも、好きな相手に対して、さも「僕はあの人には興味がない」という体で書くところが面白い。まるで小学生のようで、ほほえましかった。
2012-02-09 00:47:14Wow! ノートはまだありません
Hiroko Kashimoto