改めていうことでもないが、東野圭吾は天才だと思う。「鬱積電車」とか「超たぬき理論」なんか、最高である。「毒笑小説」巻末の京極夏彦との対談で「短編の代表作」と述べているが、まさしくその通りだと思う。これまでも、しのぶセンセシリーズなど、関西人らしい作品はあったが、ここまで毒のある笑い(本作品名は「怪笑小説」だが)を追求したものを書かせても一流というのは本当にすごいと思う。
作者の思いとは裏腹に、「あるジーサンに線香を」なんて、タイトルはパロディだが作品の内容は笑いというよりはむしろ切なくなってしまうというものも含まれており、純粋に笑いだけを追求することの難しさを物語っているようにも感じた。
東野圭吾の作品ではないが、巻末の真保裕一の解説もすばらしい。
Wow! ノートはまだありません
Atsushi Egi