世の中で売られているものを、取引コストに着目して解説している本。結果の前提となる数字が著者の仮定である為、実際には違う点もあるかもしれないが、考え方として勉強になった。著者は「自分がどれだけ他人と異なるかを知っておくことで、無駄を避けることができる」という点を強調している(しかし、他人と違う行動を取ることで得をすることもたまにある)。最も気になったのは、広告は『消費者能力テスト』だという点だ。今は広告に大事なことを小さな字で書くと叩かれるようになったが、手間を惜しむ消費者は損をするという典型例だと思う。
一見良さそうに見えることでも、冷静に考えると不利益になることもあることが書かれてあるが(例:子供の医療費無料化は本当に子育て支援になるのか?)、これは目から鱗だった。しかし、分かりやすい政策なので、これを公約にする政治家もいる。物事に対する判断は様々な点から行わないと痛い目を見ることになる。
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Hiroko Kashimoto