商品属性以外にブランド・アイデンティティの要素が考えられない、競合と差別化できるものが何も思いつかない、何かユニークなものがある気がしているのだがうまく表現できない、あるいはいくつか要素が出てきたがどう整理してよいかわからないという企業には、次のような問題があることが多い。
■暗黙知を含め、企業内外にあるブランド知識の収集が質・量ともに不足しているため、社内で深みのあるブランド・アイデンティティを考えるだけの知識ベースがない。
■企業と顧客それぞれのブランド知識の意味、関係性に対する洞察が足りないため、有効なコンテクストを引き出せない。
■表現力が足りないために、共有・共感できるブランド・アイデンティティにならない。
ブランド・アイデンティティは、企業もしくはブランド担当者の勝手な思い込みや人まね、机上の空論であってはならない。それは、企業の内外にあるブランド知識をベースに論理的であるだけでなく、少なくとも内部関係者の心に訴えるように規定されなければならない。それは、質・量ともに十分なブランド知識を深く洞察して、初めて導き出されるものなのである。
最近のコミュニケーション研究では、コミュニケーションにおける三つの相を指摘している。第一の相は、送り手が受け手に対して何らかの影響を及ぼすことを目標になされるコミュニケーションで、「説得達成の相」と呼ばれる。第二の相は、送り手と受けての間で経験や知識、意見を共有する試みを通してリアリティを形成することを目標とするもので、「リアリティ形成の相」と呼ばれる。そして第三の相は、意図しないままに、つまり目標によって制御されないままに伝わってしまう部分のコミュニケーションで、「情報環境形成の相」と呼ばれる。
コンテクスト・ブランディングは、この三つの相を戦略的に統合した形でブランド・コミュニケーションを体系化したものといえる。これまでのブランド・コミュニケーションは、ここで言う説得達成の相に偏りすぎていた。ブランディングを成功させるためにはコンテクストの共有が不可欠であり、リアリティ形成の相や情報環境形成の相も戦略的に体系化していかなければならない。
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