道尾秀介のデビュー作。
背中に眼が浮かび上がるという写真と、その写真に写っている人が必ず自殺している、という奇妙な符号が、やがてある山奥の町で起こった少年の行方不明事件へと繋がっていく。心霊現象探求所なるものを開設し、霊にまつわる現象の解明を進めてきた真備と凜、その友人で主人公の道尾が遭遇する事件の真相とは。
デビュー作という事もあり、かなり回りくどい表現や冗長な文章が目に着くのは仕方ないが、それでも読み始めると先が気になってどんどん読み進めてしまう。道尾秀介の作品は本作で初めて触れたのだが、デビュー作にしてこれなら、それ以後の作品にも期待が持てる。
Amazonの書評では京極夏彦の一連の作品の影響が大きく、それと比較して今ひとつだったというコメントが多いが、上巻を読み終わった段階では霊の存在と事件がどう絡んでくるのか、予断を許さない状況で、非常に面白く読んだ。
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Atsushi Egi