鈴木豊's Bookshelf 鈴木豊さんの本棚

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ある夢をきっかけに宝探しの旅へ出た少年が、
立派な錬金術師(アルケミスト)へと成長していく。

少年の冒険譚として、とても面白い作品で
本当の自分を探すという”青臭い”物語。

しかし、そんな青臭い物語のはずが、
すでにオッサンまっただ中の、ボクの心に問い正してきた。


王様が言った。
「おまえがなにか欲する時、宇宙全体が協力しておまえを助けてくれるよ」

現実社会で、そんな都合の良いことなど起こりはしない。
という考えが、心をよぎる人が大半じゃなかろうか。
現代人は大人も子供も、そこまで楽観主義ではない。


ただ、それを信じるかどうかは自分次第、でもある。


大人になれば宝探しの意味そのものを疑い、諦める。
どこにも宝物などありはしないのだ、と。
自分自身の心も、真実の言葉を語りかけなくなる。

そして、今生きるこの場所での安住を選択する。
愛する恋人や家族があれば、なおのこと。
それを幸福とか、成功などと呼ぶこともある。

宝物をみつけるためには、次のことを学ぶ必要がある
これも砂漠を旅する実体験の中から体得する事柄で、
受験勉強して覚える類のものではない。

何かを全身全霊で欲すること。
心の声に真っ直ぐ聞き従うこと。
わずかな前兆も見逃さないこと。
死をも恐れぬ勇気を持つこと。
運命を受け入れること。

「おまえの宝物がある場所に、おまえの心もある」
と錬金術師が言う。

そして、少年は自然との対話の中で
大いなる魂へと到達し、すべてを悟るのだが。。。

そんなわけないだろ!
あくまでフィクションの中の出来事。
まんま実行したら、いい歳して中2病である。
などとポーズとってみたりもする。

大人の自分がひとしきり反論を行う。
自己正当化とでも言うべきか。
そんなクセがついているのも大人なのだ。


それでも最後に残った問いかけがあった。
ボクは勇気ある少年として、宝探しの旅を終えたのだろうか?
自分探しもやってみた結果、だいぶ前にとりあえずおさまりはついている。
今のところ生きていくことには困ってはいない。


でも、答えがノーであることは明白だった。

自分がやりたくて、できてなくて、言い訳を繰り返しながら、
最後までやり遂げてないことがある、と知ってるからね。

それが果たして運命の宝物かどうかは分からないけれど、
自分は一生、青臭いまま、宝探しの旅を続けようと思った。

宝物は、意外にもすごく近くに埋まっているかもしれない。
それを見極めるのは、とても大切なこと。だと思う。

個人的には、そんなコンパスのような一冊でした。

2012-08-19 08:40:57 (1 Page)

「君たちの作ったテレビコマーシャルはとてもよかったよ」
「でも、紙の広告はクソだ」
スティーヴとの初対面時に、こう言われた作者がApple社の原理”simple”を掘り下げる。
~Think Simple p26 イントロ:シンプルの杖 より~

”また、ジョブズのアップル復帰後に次々と社員がリストラされた際には「スティーブされる」(=クビになる) という隠語が生まれた。” wikipediaより

Think Simple

2012-05-31 14:37:30

ジャンルレス。というか、全部入り。たしかにおもしろい。
ハードボイルドなファンタジー・サスペンス・ミステリー・ロマンス他のエンタテインメント超大作。

2012-05-31 14:07:44

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