Sanae Maruyama's Bookshelf Sanae Maruyamaさんの本棚

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玉ねぎについて語ろう。考察しよう。
いや、感じよう。
愛する人を亡くしたから、輪廻転生を信じるしかない。
すがるような、祈るような、そういう思いが迸る小説。

読む年齢によって、味わいが違う、深い・深い作品だと思う。
10代に出会った時とは、20代で再読した時とは、
まったく違う観点で再々読。
この本の影響で、インドは自分にとって特別神秘の国になりにけり。

2011-09-28 13:31:15

漱石晩年の作品だと思い込んでいました。まさか「三四郎」よりも前の出版だったとは(驚)オチのない深み。もうちょっと自分も年齢を重ねた方が楽しめるという直感がします。
それにしても、漱石が織り成す小粋な会話はユニークで爽快!
オシャレー。

2011-09-19 15:48:37

なんて完美な短編なのでしょう。
美しいというのはその情景のことではありません。
構成が素晴らしく、仕掛けの結末にうなるほど、美!

一人の男性が死体で発見される。
関係者のモノローグが始まり、事件の全容が見えかけた時、
主要の3人の証言が食い違います。
3人が3人とも、「自分が」その男性を殺したというのです。
その告白者の一人がその男性自身というのもオツ。

文章の編み方がパーフェクト過ぎて、萌えます。
三島由紀夫氏の美とはまた違う、その端的なショートストーリー。
三島由紀夫氏の文章が、色っぽい鮮やかなフルーツケーキだとしたら、
芥川龍之介氏の本作は、隙のないほどシンプルな絶品ショートケーキ。

日本人で良かった。

2011-09-15 11:34:22

バブルってなんだったのだろう。
なんだか浮かれた感じのお姉さま、お兄さましか、わたし(の世代)は知らないけれど、
ある意味、この時代のシンボル的小説。(なのかしら?)
実在の人物がモデルになっているというのも、興味がそそるところ。
読みやすく、電車の中で楽しむのに向く一冊。
でも、林真理子氏の描く女性には、なぜかいつもあんまり思い入れない。
バブルという時代の中で、話題の男性とともにマスコミの餌食となったアッコちゃん。
でも、つまり、付き合った男性が話題なだけ、本人は翻弄されているだけ、というのが、見かけは派手だがツマラナイ女に見せるのだろう。

2011-09-14 10:40:12

タイトルの"妙"を感じる作品でした。
さすがのノーベル賞作家。技巧に感服。
読み終えて、もう一度掲題を見ると、「もうこれしかあり得ない」とうなります。

青春の混沌。
具体性のない夢。
ぐちゃぐちゃとした迷いと
無謀な逃避と
出口のない性消費。

バードという主人公に起きた「個人的な体験」でありながら、いわゆる「青春もの」に共通するように、すべての青春期の人間に重なるテーマが根底にあるように感じ、慄きながら読み進めました。
あとがきに書かれた作者の振り返りも一読の価値あり。

2011-09-13 13:26:15

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