and more.
「休日の電車の中で、こんな会話が聞こえてきた。
孫:今度ね、ポケモンの新しいゲームが出るんだ。僕も欲しい
祖母:そればダメ、ウチではファミコンやコンピュータ・ゲームは4年生になってからよ。ね、お兄ちゃんもそうだったでしょだからケン君もあと1年、我慢ね。よそのおうちはよそのおうち、ウチはウチなの
孫:「なんでウチは違うの。そんなのウチだけ、みんな買ってるのに!」(177)
筆者は「ケン君とおばあさんの会話には、『なぜウチではファミコンは小学4年生になってから』なのかの根拠がない」といい、ビジネスの場面でも同じことが言えるという。「なぜこの判断基準を設定したのか、その根拠が示されなければ、結論を納得することはできない」。
判断基準の根拠……。私たちの日常会話で、相手を説得するために「判断基準の根拠」なるものが必要になるケースは果してあるのだろうか。判断基準の根拠があると想定して、おばあさんとケン君の会話をつくってみたいと思う。
【創作ここから】
孫:今度ね、ポケモンの新しいゲームが出るんだ。僕も欲しい
祖母:よく聞いてね、ケン君。T京大学のA教授っていうえら~い学者さんの話だとね、10歳以下の子がテレビゲームを30分以上やると、その後の知能の発展に遅れをきたすっていう発表をしたのよ。ケン君も成績悪くなりたくないでしょ
孫:30分以上ゲームをしたらアタマが悪くなっちゃうんでしょ、だったら29分59秒で絶対やめるからさ、買ってよぉー
祖母:確かに一理あるわね。でもね、これはケン君には内緒だったけど、ウチはとっても貧乏なの。ケン君にご飯を食べさせてあげるだけで精一杯なのよ。見て、ケン君のいま穿いてるズボン。ほらツギハギだらけでしょ
孫:……
【創作ここまで】
小学生の頃よく友だちと「なんで○○なの?」「××だから。」「じゃあ、なんで××なの。」「▲▲だから。」「じゃあなんで▲▲なの?」「それは○○だからだよ。」……という会話をしたことがなかっただろうか。根拠の根拠、理由の理由を永遠に問答しつづける、不毛な会話。
この不毛なQ&Aは永遠に続くが、終わりがあるとすれば、行きつく先は決まっている。「万物の根源とは何か」という問いだ。幼い頃にしていた永遠の問答がギリシア時代の哲学の課題にたどり着くと考えれば、決してこの問答は不毛でも何でもなく、むしろ崇高でさえある。
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