キティやビジュアル系バンド、原宿その他が融合してできあがっていく「カワイイ」は、そのレベルが上がれば上がるほど虚構度が増す。虚構度が増すほど、そこの現実の男性が入り込む余地はない。とことん人工的に自己完結した「カワイイ」は、むしろ男をよせつけない鎧になっているようにも見える。
2011-04-24 09:00:03 127p男を見ずに、女同士で「どっちがモテるように見えるか」を競い合う部分が肥大化した結果、現在のような状況、つまり、モテ服と呼ばれる装いに現実の恋愛がついてこない現象が起きているというわけである。
2011-04-24 08:54:12 83p暑そうなのか寒そうなのか、隠したいのか見せたいのかよくわからない矛盾だらけのこのドレスは、拒みつつ誘い、欲望を遮りつつ導く、という強力な誘惑装置でもあった。
2011-04-24 08:50:22 79p中世から十九世紀終わりごろまで、西洋の女性はコルセットでボディを締め上げ、ありとあらゆる複雑な構造の下着というか構造物(パニエ、クリノリン、バッスル)を装着して下半身を覆い隠し、その上に幾重もの布を重ねながら胸元は大胆に露出するという複雑なドレスを装ってきた。
2011-04-24 08:49:54 79pつまり、違法恋愛が贅沢を生み、贅沢の競い合いがシーズンごとに変わるモードを生み、資本主義の発展に寄与した。その担い手となるブルジョワジーは大都市を発展させ、そこにおいて贅沢と恋愛が手を携えた舞台装置として劇場やレストランが栄えていった。
2011-04-24 08:43:14 78pエシカル・ラグジュアリー・・・倫理的な贅沢
贅沢の魅力とは、本来、倫理と相いいれないところにあったのではなかったか?
服飾を通じた文化論だが、切り口がユニーク。
ファッションは非倫理的恋愛を推進力としてきたが、今日ではエコロジーを中心に倫理を纏おうとしている。さらに「カワイイ」「エロイ」が目的化され、本来の目的だったはずの男性が置き去りにされて進化を続けている。などの指摘が面白い。
Wow! ノートはまだありません
Takeshi Inoue