なんて完美な短編なのでしょう。
美しいというのはその情景のことではありません。
構成が素晴らしく、仕掛けの結末にうなるほど、美!
一人の男性が死体で発見される。
関係者のモノローグが始まり、事件の全容が見えかけた時、
主要の3人の証言が食い違います。
3人が3人とも、「自分が」その男性を殺したというのです。
その告白者の一人がその男性自身というのもオツ。
文章の編み方がパーフェクト過ぎて、萌えます。
三島由紀夫氏の美とはまた違う、その端的なショートストーリー。
三島由紀夫氏の文章が、色っぽい鮮やかなフルーツケーキだとしたら、
芥川龍之介氏の本作は、隙のないほどシンプルな絶品ショートケーキ。
日本人で良かった。
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Sanae Maruyama