物語のワールドモデルは幕末の江戸。
武士たちの不穏な動きが町のアチコチに見られるものの、町に暮らす人々は
まだなんとか“平穏に”暮らしていた。
主人公は小さな神社の禰宜の2人の兄弟。
兄はのほほんのんびり屋さんで、家に代々継がれる「ゆめつげ」という夢占いを能力として受け継いでいる。
物語は、彼がある商家から依頼された事件に巻き込まれていく形で進んでいくのだが、この中には親子、夫婦、神社、武士、家、過去、未来、世事、など、多くの切り口から漏れてくる「思惑」が、多層にレイヤーとなって、それが兄の「ゆめつげ」と彼の読み解きの蛇行運転によって閉じられていたものが徐々に開けられていく。
作者の畠中恵さんは、代表作「しゃばけ」シリーズに見るように、ひょこっと起こった小さな事件の謎解きを、ほっこりとした登場人物たちの協力によって解決していく手法が癒し系で人気のようだ。私もこのシリーズに癒される疲れた都会人の一人。
彼女は高知県で生まれたが、人生のほとんどを名古屋で過ごしている。元々は漫画家になることを志して学校も短大のイラスト科を卒業し、漫画家アシスタント、書店員をしながら、ついに88年小学
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Yoko Shima