ビジネスブックバンク vol.204 2012.11.11 SUN号より
■■■今週の書籍紹介
残業ゼロ! 仕事が3倍速くなるダンドリ仕事術
・吉山 勇樹(著)
■■■ 本書の目次
・時間をうまくコントロールする技術
・劇的!スピードアップの技術
・プロジェクトをうまく動かす技術
・モチベーションをマネジメントする技術
・考える力をアップさせる技術
・ツールをうまく活用する技術
仕事は段取りが大切、段取り八分などよく言われますが、端的に言うと段取りとは、「物事がうまくいくための手順」のことです。段取りはあくまで目的ではありませんので疎かにされがちですが、段取りがなければその目的にたどり着きませんし、たどり着いたとしても無駄な回り道をしてしまいます。だから、実は仕事において、最も大切なものの一つです。しかし、この段取りは教えてもらうことはなく、日々の仕事の中で気づいたり、教えてもらったり、見て盗んだりして学ばなければならず、なかなかまとめて学ぶ機会がありません。本書では、その段取りのポイントをわかりやすく、かつ体系的に学ぶために最適な一冊です。大きな目標を描くのも大切ですが、もっと大切なのは、それを限られた時間やリソースの中で、高生産性で実現することだと思います。実現しないものは、何もやっていないのと同じだからです。だからこそ、仕事の進め方は学んでも学びすぎることはありません。一つでも二つでも、日常業務に活かしてみてください。
■■■チェックポイント B B B C H E C K P O I N T
■急がば回れ!
スピード優先でとにかく目先のものから仕事をスタートさせてしまう人がいますが、みなさんはいかがでしょうか?このような見切り発車型の人は、行き当たりばったり仕事も多く、まずは目の前にある作業に取り掛かりがちですが、まずは全体の構成をイメージすることが先決です。というのも、全体がイメージできていないのに、目先の仕事をこなしたところで、やり直しが必要になったり、結局はしっかりと計画を立てていたほうが早い場合が多いからです。仕事のスタートからゴールまでのイメージがないままに、目先の仕事からスタートすれば、最初はスムーズにスタートしたように見えます。ですが、ある瞬間に「次は何するんだっけ?」とか「そもそもの目的は何だっけ?」というように、突然、ボロが出てくるものです。「段取り八分」という言葉があるように、ダンドリをしっかり行っていれば、あとは楽に進むものです。
■標準時間を持つ!
みなさんは仕事をこなす際に、まずはじめに「どれくらい時間がかかるか?」と意識して取り組んでいますか? 1日の限られた時間をいかに使いこなすか?を考えたときに、所要時間の見積もりをしっかり行うことは基本になります。ここで、大切なのは、自分がやった場合、どれくらいの時間がかかるか?という「標準時間」の意識を持っていることです。私の場合は400字の原稿を20分でまとめるというのが1つの標準時間です。「この仕事はいつもこれくらいかかるので、今週中には完成できる」というように、仕事の全体像をイメージする際にも個々の仕事の準備時間があれば見積もりが正確にできますが、それがないと、「どれくらいかかるんだっけ。まぁ2日くらい時間をみておくか」と根拠のないダンドリをしてしまいがちです。そして結局、期限に間に合わないなど、トラブルの原因になるわけです。
■ソウレンホウの法則
仕事の基本は「報(報告)・連(連絡)・相(相談)」と新入社員研修などで学んだことのある人は多いのではないでしょうか。昨今、コミュニケーションがうまく取れずに仕事が回らないという機能不全を起こしている企業が多いのが実情です。みなさんは「報・連・相」をどのように実践していますか?ゴロあわせですから、必ず「報告→連絡→相談」と文字通りの順番で実践しないといけない訳ではありません。「相談→連絡→報告」と逆の順番で実践することをオススメします。なぜなら、まず何かに着手する際、「どうすれば良いですか?」とか、「自分はこのように考えていますが、どう思われますか?」と上司や先輩など周囲に対して、相談し、意見を求めることで、最適な方法が見出せるものです。その後は、途中経過についても相談した相手に連絡し、さらにアドバイスをもらいつつ、最終的に「完了しました!」と報告をして、仕事のまとめになるわけです。最初から「こうでした!」と報告から入ると、時すでに遅し、ということもあります。まずは気軽に相談をすること、自分の引き出しをたくさん作ってあげることが肝要なのです。
■インプットしたらアウトプットする!
ビジネスシーンは、「成果を出してナンボ」という世界ですね。よって、アウトプットしないと、なかなか評価されにくいのが実情です。いくら調査を一生懸命やっていても評価はされないものです。たとえば、調査結果を受けて高齢者にも訴求できる商品開発を!と次のアウトプットにつなげていくことが本来のインプットの目的なのです。インプットとアウトプットのバランスについては、食べ物を過剰摂取していてはメタボになってしまうのと同じように、ある程度インプットしたら、その都度アウトプットすることが肝心です。私も海外の文献や大学との研究開発の結果をインプットしたら、即座に資料に落とし込み、次のセミナーで話せる状態にしておきます。セミナーでアウトプットしたら、受講者からさらに質問をいただいたり、自分なりに疑問点を発見することができ、さらにインプットをしよう!というサイクルができます。丁寧に仕事を進めようとするばかりにインプット先行の人が多いですが、ある程度インプットしたらアウトプットし、その結果から、さらに新たなインプットの必要性が見えてくることを覚えておきましょう。
■議事録は書かずにデジカメで!
議事録は書かない。なんていうと語弊があるかもしれませんが、会議などで「ホワイトボードに書かれた文書を一度ノートにメモをとり、
さらにそれをパソコンで編集して、関係者に送付」というように一度メモしたものを再度編集するといった作業の重複を防ぐためにも、デジカメの活用をオススメします。ホワイトボードもメモせずに撮影すれば、一瞬で議事録化できるのです。その画像を元にパソコン上で編集すれば手間が省けます。会議の参加者によっては、撮影した画像そのものを議事録代わりに共有するのも1つの手です。ホワイトボードに書かれた図表などについては、そのままを関係者に共有できるので、会議で何を話したのかを思い起こさせる作用もあります。デジカメの機種によってはホワイトボード撮影モードがあるものも増えています。私も必ずカバンにはデジカメを持ち歩いていますが、
他にも地図を撮影しておき、ポータブルマップとして使うとか、接写モードで名刺を撮影して、画像データで名刺を管理するなど、さまざまな活用方法があるものです。
2011.9.24.読了。一つの仕事でも時間の使い方次第で辿り着く位置が変わってくる。いかに上手く取り組み、空いた時間を有効的に使えるか。次の仕事でもよし、自身のリフレッシュでもよし。ギリギリの部分ではなく時間にも心にも余裕を持って何事にも取組みたい。
2011-09-24 09:35:37Wow! ノートはまだありません
Kouichi Msxturbo Tachibana