またまた井上荒野の作品。これは少し前のものなので文庫で読了。論理では動かない毎日、不条理をどう飲み込むかに悩む日々、そこをどうやり過ごしながら自分というものを保っていくかそんな話しを美しく紡ぎ出していく作家が彼女です。だからといって固い文章では全くなくすっと頭に入ってくる綺麗な文章を書く作家さんです。ただ見た目が美しいから誰よりも美しい妻ではないところが怖いです。誰もがなれないけれど、自分を守るすべとしてこうなってしまうかとも感じた。女性が怖くなるかもしれない小説なので、惑わされるのが嫌な方は避けた方がいいかも知れない作品です。秋の夜長には適しますが、背筋が寒くなるかもです。
2011-10-19 15:09:19Wow! ノートはまだありません
Hikaru Sato