この本は店の返本保管コーナーにあったんです。つまりは売れずに出版社に戻る本だったわけです。実は返本保管コーナーは良いか悪いか私の机の脇にありまして、私はいつも蜘蛛の糸を垂らして、救いをさしのべているわけです。南無南無。
私は仏教本を読んだのは、これが初めてです。それ以外は手塚先生です。アーナンダー、ソーナンダー。そうなんです。(分かりますかね)
この本は面白い。著者は大学で哲学の先生を過去にしていましたから、仏教、キリスト教、果てはマルクスを批判したらラファルグ(マルクスは彼の義父)まで登場します。例えるならこの本は、高校の時に世界史の勉強から逃れたいときによむ「世界史実況中継」みたいな本ですよ。仏教というのは生きている人のもの。死んだら仏様に任せる。しかし現状は逆、から始まり、奈良時代にメーカーの理論で導入された仏教が、法然により消費者の理論になったと書いてある。ここら辺が妙に面白い。
最後にあきらめる、仏教で言う「明らめる」が重要だと説く。今まで出会ったことの無い論理。そして悪人はなぜ救われるのかは最後の最後に書いています。最後まで面白い本です。
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Kashikura Kinya