「合掌ができない子どもたち」がいることを知ったのは十年ほど前である。(中略)「君たち、合掌をしらんのか」と聞いてみる。「知らん」「家でしたことないのか。ごはんを食べるときとか」「してない」と、このような問答になった。(三上章道『合掌ができない子どもたち』22ページ)
掌を合わせることに違和感を覚える方がいることは知っていたが、それは自分の意志で合掌しないのであって、現代の子どもたちは合掌することすら知らない、合掌するしないという選択すらない人生を生きている。何に対して掌を合わせるのか、何に対して感謝するのかといった宗教心の涵養が学校教育と家庭教育の双方から亡くなって久しく、これを著者は「宗教者の努力の欠如」と嘆いている。
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Manabu Fukui