一橋大学の社会学部の准教授である多田治先生の著書。近代の幕開けとともに社会学理論の研究は今日まで続いてきた。偉大な社会学者たちというのは、必ずと言っていいほど、それ以前から存在した理論を踏襲する、もしくは、反抗するという関係性の中から、新たな理論を打ち出している。「彼らの理論から、自分たちの身近で切実なテーマに今後取り組んでいくための、柔軟な発想と有益なヒントを得ることができる」と冒頭部分で著者は強調している。この本では、デュルケーム・ウェーバーの社会学黎明期から、今話題のウルリッヒ・ベックのリスク社会学に至るまで、そこまで内容は濃いものではないが、網羅的に社会学理論の紹介がされている。私自身も、この本をまずはじめに読み、興味を持った学者や理論の古典を読み進めるという使い方をしている。
社会学理論を学ぼうと思うのならば、入門書としてこれ以上のものはないと思われる。
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Tomohisa Ohnuma