木内昇始めて読みました。第二次世界大戦直後の浅草で、関西から一旗あげようと上京してきた芸人と上野で彼を見かけちょろいだろうとだまそうとした戦争孤児、彼たちが住み込みで働くことになった小劇場の主、戦前劇場主と一緒に撮影所で働いたが戦争で職をうしなって彼の元に流れ着いたもと活動屋、食うに困り劇場の出しものストリップもどきの踊り手に応募してきた女性たち。そんな登場人物の姿が目に浮びそうなくらい人物描写は秀逸です。話自体は笑いとエロを取り巻く戦後混乱期の人間模様だが、登場人物たちのエネルギーにほっとする。生きるだけで精一杯の時代ってそこで生きたくはないが羨ましい気もする。ちょっと元気が出る小説です。
2012-04-09 11:26:50Wow! ノートはまだありません
Hikaru Sato