井上荒野の短編集。人が踏み込まれたくない、他人にとってはどうでもないことだろうが自分としてが人に知られたくない、触れられたくないことが誰にでもあるよねと語りかけてくるような内容の短編が七編。なんでもない日常の中に潜む他人からは垣間見ることのできないような小さな出来事や秘密を描くのが上手な井上荒野の作品だから、うまいなあとは思う。でも残念ながらこの作品は小説雑誌すばるへの寄稿をまとめた作品集のせいか読後の印象が薄く一貫したテーマがちょっと見えない本のような気がした。
2011-12-25 05:20:44Wow! ノートはまだありません
Hikaru Sato