福島県双葉郡川内村在住の作家による震災の記録。千代田区の17倍の面積に1000戸の川内村では行政による避難や状況報告の連絡がなく、テレビで知る状況だった。1世帯100万円、単身75万円の補償仮払い金は、10人家族でも100万円、もし8人の子供が別に住んでいれば総額700万円、未入籍カップルは150万円、という不公平なもの。飯館村、葛尾村、南相馬市、相馬市など今まで原発の恩恵を受けずに自力で頑張ってきた地域は、1世帯5万円で孤立無援状態。自宅より放射能汚染が酷い避難所に行けば3食昼寝付きで毎日がお祭り。家事食費が自己負担の仮設住宅に移るのを拒否する人多数。避難所近くのパチンコ屋は大盛況。避難所にいた人は補償金が増えると噂があり、避難所を別荘代わりにする人多数。温泉に避難した人は毎日が慰安旅行で出ていくのを嫌がる人多数。仮設住宅入居者に配られた日赤家電6点セットを、6人家族なのに2人ずつ3世帯申し込み、1セットを自宅の古い家電と交換、1セットを仮設で利用、1セットをヤフオクで売却する人多数。読んでいて嫌になることが正直に書いてある。原発の愚、再生可能エネルギーの愚の指摘も的を得ている。
2011-12-24 00:28:15Wow! ノートはまだありません
Michiyo Iino