文楽にハマった直木賞作家の本。堅苦しく考えられがちな伝統芸能の世界を、面白い言い回しを交えながら説明している。しかし、ただ面白いだけではなく、しっかりとした分析もあり、日頃文楽に親しんでいる方も読める内容となっていると思う。普通に文楽を楽しんでいる分にはうかがい知ることができない裏側についても触れているが、出番の人が出番でない人の楽屋を訪れ、「お願いします」と言って舞台に上がっていくことについて書かれているが、この言葉の裏にある覚悟には驚いた。読み終わった今、私も『文楽くん』にハマりそうで怖い。
2012-01-21 06:53:19Wow! ノートはまだありません
Hiroko Kashimoto