五木寛之の本は、暗い。そこはかとなく暗くて、陰気で、しずかに、死をみつめているような本ばかりが並ぶ。仏教に傾倒していくと、こーなるのか、この人が暗いのか。ただ、この人の文章は、細かく定義して、物事を限定してイメージさせるというよりも、漠然と全体を捉えて、流れていく方向をみせてるけど、何かに絞って、細部を表現しないことで、見えないところを読者に想起させるような、きわめて日本的な感じが、”テレビみても目が疲れない”的になんか心地よい。常に流れがあって、奥行きがあるってことなんかなぁ。
山登る時は、かかとと、脚力と、気合と、勢いでいけるけど、
山下りる時は、つま先の意識と、環境を肌感覚で認識することと、気を引き締める平常心が肝心よ。
という程度の事をベースに、広がる国家論、人生論を静かに楽しみたい人にはおすすめでしょう。
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Taizo Ochi