さすが直木賞作家と思わせる作品。ダムで村が沈んでしまった寂れた旅館を生家に持中学生が同級生の女子中学生がいじめにあっていることを知る。また同時期にちゃきちゃきでお嬢様育ちだと吹聴していた祖母の本当の過去が悲惨であったことを知りそしてアルツハイマーですこしずつ壊れていく彼女を過去の呪縛から救いたいと思う。
彼がどうやって二人の女性を過去からの呪縛からすくい、前向きに生きることに目を向かせるかのお話なのだが、すばらしい描写力で主人公や登場人物のが描かれるので暗い話なのだか最後の救いのシーンまで一気に読ませてくれる。お勧めです。
バスの中で、逸男の頭の中には様々な『IF』がうずまく。あの時ああしていれば…『普通』であることを嘆く逸男は、同級生の敦子のある頼みをきくことにした。その願いがかなえば、彼女を救えると思ったから。敦子の思いはどこへ向かおうとしているのか?敦子の本心はどこにあるのか?…逸男自身の家族の問題も存在する。様々な思いを抱えつつ、皆はどこへ向かうのか?『普通』でないことを望む逸男が最後にたどり着くのはどこなのか?…終わりのほうで、一つの感情が胸に去来すること必至だ。
2012-02-05 10:31:19Wow! ノートはまだありません
Hikaru Sato