動物は好きですか?犬?猫?小鳥?象?
そんな身近な動物たちから、動物園でしか会えない動物にまで目を配り、愛おしんで書いているのが伝わってくる作品。
特に、少女の頃買っていた愛犬フェスの話は秀逸だ。フェスがモデルになった小説「町の犬」も涙なくして読めない。
また、父露伴先生の(あんな怖い人が)動物をやはり愛している姿にとても微笑ましいものを感じる。
動物の可愛らしい話だけではなく、わたしはこの本に”孤独”と”死”を感じた。
貧しい駄菓子屋のおばあさんと猫の話などは、現代にも通じる”孤独”を浮き彫りにしている。
でも、その”孤独”の隙間に猫や犬は寄り添ってくれている。
そして、生き物を飼うということは、その”死”を看取ることでもある。
死なれてしまうと、もう動物なんて飼わないと言うくせに、やっぱり飼ってしまう弱いのも人間である。
そこをすべて見通していたのが、やはり露伴先生で、一つ一つの言葉に重みがある。
動物が好きな人、涙なくしては読めないけれど、おすすめです。
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Ai Yonekura