田舎の警察署の刑事課に所属する黒川鈴木(黒川は苗字で鈴木は名前)が活躍するミステリー。その頭脳明晰ぶりには脱帽だが、この本が面白いのはそれだけが理由ではない。彼の周囲を取り巻く人間が一癖あり過ぎなのだ。天なのかバカなだけなのか判断に困る白石と冷静沈着(時に冷酷無慈悲)な赤木という部下2人、温厚で3人を温かく見守る(?)課長、そして貧乏人と結婚したことを後悔しているらしい黒川の妻という面々が図らずも黒川を助けたり、時には邪魔したりと、ただのミステリーには終わらない味付けを加えおり、なかなか愉快な作品だ。
2012-02-29 03:43:38Wow! ノートはまだありません
Hiroko Kashimoto