CDを買う時に『ジャケ買い』という買い方があるが、この本はまさしくそんな感じだった。中身には全く目を通さず、題名だけで購入を決めたのだが、私にとっては有意義な買い物だった。巻末の解説を読むと偉大な大学教授だったことがうかがえるのだが、そこに行くまでは『ただの頭のおかしなおっさん』だと真剣に思っていた。学生や妻からけちょんけちょんに扱われ、下手なピアノを人前で弾いたり、ひたすら屁理屈をこねたり(屁理屈をこねる私が屁理屈呼ばわりするほどの人物だ)、あまり共感できる内容ではないのだが、でも、面白いのだ。ちなみに、どの程度面白いかと言うと、笑い声が「ふん」「ふふっ」「ぷっ」「ははは」「あ~はっはっはっは」と五段活用するくらいだ。西洋哲学が苦手な私でも、哲学のエッセンスを垣間見ることができたので、次は著者の本業についての著作を読んでみようと思う。
2012-03-04 07:24:58Wow! ノートはまだありません
Hiroko Kashimoto