人の愚かしさ、哀しさがあふれでてくる暗い小説だった。殺人事件の被害者の関係者へのインタビューというかたちで、さまざまな人がみた被害者の姿が語られていく。そのうち事件の糸口というものがおぼろげ見え、じつは語っている一人が犯人であろうこともおぼろげに想像できてくる。都会でくらすなかでさらけ出される様々な欲望や見栄、競争意識など本来はつまらないものなのに哀しいかな多くの人間がそんなものにふり回されている。気をつけようぜと警鐘を鳴らしてくれている小説なのかも。お上手な小説です。
2012-03-04 02:52:08Wow! ノートはまだありません
Hikaru Sato