なぜロゼッタストーンはエジプトではなく、イギリスにあるのか?という疑問に対する回答は、案外と入り組んだ事情がからみあっており、多面的に評価すべき問題であることが理解できる。
単純に帝国主義時代の欧米列強の横暴、掠奪、という一面的な見方だけでは、人類の遺産のふさわしい扱い方というものは見えてこないのだろう。奪われた側、奪った側、保存と管理、教育的観点からの展示、出土国の国民の意識、さらには闇の略奪品マーケットの問題まで、500ページを超えるボリュームだけあって、一つのテーマを非常に多くの視点からとらえるのに役立つ。
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Tomohisa Yoshikawa