and more.
「人は幸せでなければならない」という強迫観念、不幸なことは悪いことであるという価値観が今の世の中にはある。はたしてこのような価値観はいかにして幅をきかせるようになったのか?というところから始まり、それを近代以前の日本の価値観と対比させ、批判しているのが主な内容。
産経新聞への寄稿で前々から興味のあった人物で、今回初めて著作を読んでみた。独自の問題の捉え方をする人だなと思ったら、なるほど日本の思想、哲学に精通している人のようだ。アリストテレスやハイデガーの引用などもあるので、いわゆる哲学史の知識もある人なのだろう。そこをベースに、本来の日本的な切り口で、現代社会を評論している。
問題提起が主体になっており、それに対する回答がないところは、「わかりやすさ」を求める人には向いていないと思う。しかし、テレビに出ている評論家、知識人たちとは、明らかに異なる切り口と、より根本的な問題に切りこんでいく姿勢から、現代日本社会を見る上で、他では得られない視点を得られると思う。
Wow! ノートはまだありません
Tomohisa Yoshikawa