11.花散里:懐かしい思い出だけが降りてくる
夏、故桐壺院の麗景殿の女御を訪れた源氏は、その妹花散里に会った。この人は温和な人であった。
12.須磨:遠く見返る潮騒の里
時勢が変わり、自分の側の情勢が不利であることを察して、源氏はわずかなお供をつれて須磨に下った。右大臣方をはばかって、須磨を訪れる人は少なく、源氏にとっては、都の人々と便りを交わすことだけが慰みであった。
13.明石:遠い男遠い女松風を貫いて鳴る琴の弦
大暴風に襲われた夜、亡き父帝が夢にあらわれ、そのお告げで源氏は明石へ移った。その後、明石入道の娘明石上を知り、結ばれる。一方、朱雀帝の一族にも相次いで不幸が起こり、帝はこれを源氏を苦しめた報いと考え、源氏召還の宣旨を下された。源氏は懐妊中の明石上を残して帰京した。
14.澪つくし:失われた道標たゆとう時刻
源氏の帰京後、朱雀帝は譲位され、冷泉帝が即位された。源氏一門に再び春がめぐってきた。明石上は女の子を産む。六条御息所は娘の前斎宮とともに伊勢から帰京したが、源氏に娘の将来を頼み世を去る。
「そもそも『源氏物語』はフランスの心理小説と似通った部分があるから、キャスティングは全部フランス人で構想した。源氏はジェラール・フィリップ、六条御息所はシモーヌ・シニョレ、葵の上はロミー・シュナイダー・・・という発想でかためていった」(橋本治)
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Hiroki Hayashi