15.蓬生:そこにも花は咲いていた―
源氏が須磨・明石に退居していた間、末摘花は困窮の日々を送るが、やがて源氏に引き取られて、幸せを得る。
16.関屋:遠ざかる山路に消えて行った過去
源氏は石山詣での途中、逢坂山で、かつて苦しい恋に悩んだ空蝉が、任期満ちて上京する常陸介に伴われて上京するのに出会って、感無量となる。
17.絵合:確執の形を番える綾錦
六条御息所の娘が源氏のはからいで入内、梅壺に入り、冷泉帝の女御となった。
18.松風:隔てられて遠くの思いが近くに響く
二条院の東院が造営され、源氏は明石上とその姫君に上京をすすめる。明石姫君を二条院に引き取りたいという源氏の意向を知った紫上は、こころよく承知した。
19.薄雲:消え失せて知る狼狽の空
太政大臣が死に、まもなく藤壺も亡くなった。源氏は深く悲しんだ。ある夜、冷泉帝は夜居の僧から、実の父は源氏であるという出生の秘密を知らされ、非常に驚く。源氏に帝位を譲ろうとするが、源氏は固辞した。
「横文字由来の片仮名言葉を一切使わず心理ドラマを書くのはすごく辛い作業だ。でも多分、これが今一番新鮮な日本語ではないかと自負している」(橋本治)
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Hiroki Hayashi