100枚に限定したロック入門者向けの年代別ディスクガイド。(おそらく)書き下ろしで880円という値段で良心的。選盤はボブ・ディランからU2まで。体裁としては、見開き2ページで1枚の詳細紹介に2枚の関連ディスクを短文で紹介するパターン。
ロックといっても後半になればなるほどジャンルが拡散していって、パブリック・エネミーやらジェフ・ミルズも入ってくる。小野島氏は近年ロックというよりテクノ分野に志向か傾いているようなので、その傾向が反映されたカタチ。
でもこういう守備範囲の広い評論家なのだから、ディスクガイドを書く機会をあたえるのであれば、もっとたくさんの選択肢を与えた方が良かったように思う。数を絞ったばかりに、せっかくの引き出しの多さが活かされずに中途半端に終わる印象が否めず、読み進めるほどに「ロックがわかる」というタイトルが霞んで拡散してしまう。同じ著者で徹底的にディープなディスクガイドを読んでみたい。
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Tomokazu Kitajima