このところ直木賞候補にかなりの回数なりながらなかなか受賞できてない荻原浩の冒険小説。昔、日本軍も戦った南の島に嵐にまきこまれ飛行機が不時着する。リゾート開発の社員、その得意先のボンボン、慰霊の旅に来たおじいさんと孫、新婚旅行カップル、自然保護団体の猛者であるアメリカ人と一匹の犬。人物設定が抜群で、読み進むにつけそれぞれがどんどんかわいくまたいとおしく思わせられる、重さはまったくないが秀逸な文章ゆえにどんどん読みすすんでしまった。結末は書かないが、救助がこないほうがいいんじゃないのと思わせるくらい、みんながいいコミュニティをつくりあげて結末につながっていく。お上手です。
2012-04-03 12:07:57Wow! ノートはまだありません
Hikaru Sato