中国でもっとも有名な日本人の北京大学研究員・加藤嘉一氏が北京大学時代に対話を重ねたスーパーエリートたる北朝鮮留生の「国際関係にとって真相がどこにあるかが分かるのが国境だよ」との言葉をきっかけに中朝国境を歩く旅に出たというもの。
北朝鮮留学生の言葉は最初の40ページほど。どちらかというと中朝国境地帯をめぐる「庶民たちからの伝言」という色彩が強く、タイトルと比べると肩すかしを食う。
ただ、加藤氏が中朝国境で迫った北朝鮮をめぐる国際関係の〝真実〟は、それはそれで読みごたえのあるものではある。庶民であれエリートであれ、登場する北朝鮮国民の言葉が等身大の言葉であるからだ。
以下は、加藤氏と対話した北京大学の北朝鮮留学生の言葉。
「日本の若者は何も知らないじゃないか。俺が目にしたことのある日本の若者はみんな、中国語や英語すらまともに話せないぞ。ニューヨーク・タイムズにアクセスできる自由を持っていて、その権利をまともに行使しているのか。(中略)言論の自由? 結構なことだ。では、おまえら日本の若者はそれをまともに行使しているのか?おまえの同胞からは問題意識のかけらも見えないぞ。国家を守る意識を持っているのか? 国家を発展させるだけの覚悟を持っているのか?」
攻撃的ではであるが、等身大の若者の言葉である。
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Hideki Nakane